NHK-BS イスラエルの「壁」なんだかなぁ…
昨夜5日、放映されたNHK-BS『イスラエルの「壁」』は見始めて、米国製のドキュメントだとわかり、かなり愕然。もちろん、イスラエル・パレスチナ双方の意見を聞いているのだけれど、そして、「壁」への批判的な態度もレポーターは取っているのだけれど、映像だけに注目するならば、ハッキリとひとつのことが見える。それは「自爆攻撃」の後の悲惨な映像は相当な時間流れているのにも関わらず、イスラエル軍が占領地でやっていることの映像はまともには流れないということだ。レポーターが入植者のリーダーたちと仲良し、なんてことはどうでもよくて、この映像の配分がこの番組を語るすべてかもしれない。私にとって、数少ない収穫(と、言ってよいものか……)は、ナブルスから近いアリエル入植地の様子がよく見られたこと。こざっぱりとして、家並みも美しく、街には楽しそうにしている学生が散歩し、街路樹が緑陰を作り、本当に米国のどこかの近郊都市のようだった。「たった2つのテントからこの街を作り上げたのです」と誇らしげに語るアリエル入植地市長。確かにステキな街です。これがパレスチナ人の土地を取り上げて作ったものでなければ、本当にどんなにいいことか。そこがどんなに素敵なところであっても、人から奪い取り、そして絶対に分け与えないという暮らしが悲しかった。そして、今、この入植地をイスラエル側に置くために、隔離壁はぐーんとパレスチナ内部に入り込み、近隣の村は孤立させられている。(そんなことはこの番組ではでてこない)
あと、眉唾だな〜と思ったのは、タンジームの青年たちへのインタビュー。まるで、彼らが「自爆攻撃をしてやるぞ」と語っているように取れる内容だったけれど、通訳も切り取り方も人選もちょっと疑った方がいいかも。だって、タンジームはずっと自爆攻撃をしてないよ(公式発表としては)。だいたい、ある種のパレスチナの男性はやたら勇ましいことをいいたがるフシがあると私は見ている。それは悲しいほど軍事力が違うことを認めたくないところから出ているものだと思うのだけど。「抵抗」の気持ちを思わず知らず、変な表現にしてしまうことが多い。
微妙に面白かったのは、隔離壁がパレスチナ国家の樹立を事実上妨げて、このままでは一つの国家になってしまう、という指摘。それはちょっと前から自治政府も脅し文句として使い始めた方向性だ。そして、人口が増えていくパレスチナ人が「1人1票」の要求をしだすと、そのままでは「南ア」にイスラエルがなってしまうという恐怖の煽り。(あ〜、それでいいんじゃないの?と私は思うけど)。この番組が言いたかったのは、どうもこのへんみたい。「隔離壁は問題だ。2国家解決案を妨げるから。それでは、イスラエルがユダヤ人の国家じゃなくなる」というイスラエル労働党系「和平」案のプロパガンダ、っていうかんじかな。
|| コメント(0)| Track back(0) | 2004-02-06
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